スタッフサービス・エンジニアリング様向け

技術文書・図面のAI活用 機電②

仕様書と点検手順を読み込ませて、現場の質問に出典つきで答える「技術文書QAボット」を Gemini Notebook(旧 NotebookLM) の上に作ります。あわせて機械図面と回路図を AI に読ませ、寸法や部品記号をどこまで拾えるかを実際に確かめます。

2026年9月18日(金) 全 [120min] 機電系エンジニア(1〜3年目中心) オンライン(ZOOM)
Givery, Inc.
Q&A

いただいたご質問と回答

9月18日の研修中に ZOOM のチャットでいただいたご質問にお答えします。分類を選んで、読みたい質問を開いてください。

制御基板の回路図を専用ツールで作っています。その拡張子のまま AI に質問できますか。PDF や PNG にしたほうがよいですか

当日お答えしたとおり、まずはそのままの拡張子で渡してみてください。読めない形式のときは、Gemini 側が読み込めない旨を返してきます。そうなったら、PDF に書き出すか、画面をスクリーンショットで撮って渡す、という順で進めていただくのがよいと思います。

見分け方は「自分のパソコンで開けるか」ではなく「Gemini が中身を読める形式か」です。専用ツールの独自形式は、たいてい中身が読めません。

書き出し方で精度が変わります。PDF に書き出せるなら、スクリーンショットより PDF のほうが線も文字も鮮明です。画像で渡すときは、画面全体ではなく見せたい範囲だけを切り出したほうが、細い線や小さい文字を拾ってくれます。

Excel に文字と画像を入れた場合、文字は正しく読めて、画像は読み間違えやすい、ということになりますか。単一の形式にしたほうが正規化されるのでしょうか

おおむねそのとおりだと思います。当日お答えしたとおり、CSV と画像に切り分けて渡すのがおすすめです。

Excel のファイルは、AI 側で中身を読むときに表の構造をたどり直しています。セルに貼った画像は、そのときに位置の情報が失われたり、読み飛ばされたりしやすいです。結合セルや複数シートも苦手です。

  • 表の部分は CSV に書き出す。1行目を見出しにして、結合セルをほどいておくと、そのまま読めます。
  • 画像は1枚ずつ別のファイルとして渡し、「この画像は〇〇の写真です」と一言添える。

「単一の形式のほうがよい」というより、AI にとって解釈の余地が少ない形にほどいてから渡す、と考えていただくのがよいと思います。表は表として、画像は画像として渡す。人が読むために作ったレイアウトは、いったん崩すのが近道です。

Markdown と画像をセットで渡したとき、本文のどこがどの画像を指しているかを、AI は文脈から解釈してくれますか。プロンプトで明示する必要がありますか

本文の並びだけに任せるのは、いまのところ避けたほうがよいと考えています。明示したほうが安定します。

Markdown の中に ![図1 配置図](図1.png) のように書いてあっても、AI に届くのは「本文のテキスト」と「添付された画像ファイル」で、その2つの結び付きは、渡し方によっては失われます。人が見るときの位置関係は、AI にはそのまま伝わらないことがあります。

手当ては2つあると思います。

  • 渡すときに一言添える。「添付の1枚目が本文の図1、2枚目が図2です」と書くだけで、取り違えはかなり減ります。
  • 本文側に、画像の中身を文章で書いておく。図の下に「図1は、コンベアの下流に検査装置を置いた配置を示す」と2行足しておくと、画像が読まれなくても、本文だけで意味が通ります。

ご指摘のとおり、説明用の画像を入れておくと人の可読性は上がります。そのうえで、その画像の要点を文章でも書いておく形が、人にも AI にも効く作り方だと思います。配布した仕様書の図1と、その下の一文が、まさにその形になっています。

IC などの電子回路図から、動作させた出力のシミュレーションをさせたいです。電子回路の記号は、どのように理解させればよいですか

画像を1枚渡して、そのまま動作を計算させるのは、いまの精度では難しいと考えています。線をたどって結線を取り違えると、その先の計算がすべて崩れるからです。二段構えにするのが現実的だと思います。

  • まず、読み取りだけをさせて、人が直す。「この回路図から、部品の記号、型番、定数、接続されているノードの一覧を表にしてください。読み取れない箇所は記載なしとしてください」と頼み、表を自分で直します。本日の演習2で、主回路と操作回路を言葉で説明させたのと同じ段です。
  • 直した表をもとに、ネットリスト(SPICE 形式など)をテキストで出させます。それを回路シミュレータに読ませれば、計算はシミュレータ側の仕事になります。AI に数値を計算させるより確かです。

記号の読み取りを安定させるには、図の中で使っている記号の凡例を一緒に渡すのが効きます。社内で使っている記号や略号の一覧があるなら、それを先に読ませてから図を渡してください。配布した回路図に記号の説明を書き添えてあるのは、この考え方によります。

回路図が手元の専用ツールで作られているなら、ツール側からネットリストを書き出せることが多いです。書き出せるなら、画像を読ませるより、そのテキストを渡すほうが確実です。

当日に口頭やチャットでお答えした内容も、あらためて文章にしています。お名前は伏せ、似たご質問はまとめています。サービスの仕様と規約は2026年9月18日時点で確認したもので、変わることがあります。

01

本日の成果物と当日の流れ

ブラウザの Gemini Notebook に、手元の技術文書に答えるノートブックを1つ作ります。インストールするものはありません。

技術文書QAボットに異常コードの対処を質問して出典つきの回答が返っている画面
仕様書と点検手順を入れたノートブックに質問しています。答えの横に出典が付くので、どの資料のどこに書いてあったかをその場で開いて確かめられます。

つくるもの

01

図面から手配メモをつくる

機械図面を画像で渡して材質、はめあい、普通公差を拾わせ、手配依頼書と突き合わせて加工先に渡すメモにします。図面に無い数量を埋めさせないところまで確かめます。

02

回路図の記号と結線を読ませる

制御回路図を主回路と操作回路に分けて説明させ、夜勤からの不具合相談を、回路図の記号で原因の候補まで絞り込みます。

03

出典つきで答えるQAボット

仕様書と点検手順の PDF を1つのノートブックに入れ、異常コードを聞くと出典つきで答える窓口にします。書いていないコードには記載なしと返るかも確かめます。

04

点検記録を手順と突き合わせる

8月の点検記録を足して、手順どおりに対処できていたかを聞きます。答えの番号から、記録と手順の該当箇所を開いて確かめます。

持ち帰るもの

研修のあとに手元に残るもの 自分の Gemini Notebook に残る技術文書QAボットが持ち帰るものです。資料を差し替えれば、担当している装置の仕様書や手順書でも同じものが作れます。あわせて、図面を AI に読ませたときにどこを疑うべきかの勘どころを手元に残します。
仕様書 決まり 異常コードの内容と対処、保守部品の交換周期 点検手順 やり方 点検の項目と基準、基準外のときにすること 点検記録(8月) 実際 何が何回起きて、どう対処したか Notebook 8/28 は判定精度 9/10 なのに運転を継続。 手順では停止して 保全課へ連絡 出典 週次記録・手順2章 決まりと実際が別の資料にあると、食い違いは人が両方を開くまで見えません。
QAボットに入れる資料の役割です。仕様書は決まり、点検手順はやり方、点検記録は実際に起きたこと。3つを1つのノートブックに入れて、食い違いを出典つきで聞きます。

当日の流れ

セッション内容形式時間
S01前回振り返りと本日概要講義[10min]
S02マルチモーダルAIと技術文書の扱い講義[20min]
S03図面と回路図の読み取りハンズオン[35min]
S04技術文書QAボット作成ハンズオン[25min]
S05用語を調べてまとめさせるプチ演習ハンズオン[10min]
S06点検チェック表をつくるデモ講義[10min]
S07質疑応答・閉会講義[10min]

合計 [120min]。開始時刻は当日のご案内をご確認ください。

02

事前セットアップ

開催日までに、次の準備をお願いします。手順は事前セットアップガイドに画面つきで書いています。

  • 1Google アカウントお手持ちの個人用アカウントで問題ありません
  • 2Gemini(ブラウザ版)無料の範囲で使います。ログインできる状態にしてください
  • 3Gemini Notebook同じ Google アカウントでログインできる状態にしてください
  • 4配布物のダウンロードと展開お使いのパソコンに合う方の ZIP を展開しておいてください
03

配布物

当日使う一式を ZIP にまとめてあります。中身は同じで、日本語のファイル名の入れ方だけが Windows 用と Mac 用で違います。

文字化けさせないために Windows の方は赤いボタン、Mac の方は「Mac をお使いの方はこちら」からダウンロードしてください。逆を取ると、展開したときに日本語のファイル名が読めない文字に変わります。直し方は事前セットアップガイドに書いています。
フォルダ入っているもの
00_コピペ用/当日 AI に送る指示文と質問。演習ごとに、何を添付して送るかも書いています
01_機械図面/軸受ブラケットの図面 版B と旧版A(PNG)、手配依頼書、手配メモ様式、手配前チェックリスト。演習1で使います
02_回路図/搬送コンベアの制御回路図(PNG)、電気部品表、動作説明書、夜勤からの不具合相談メモ。演習2で使います
03_仕様書/画像検査装置 IN-450 の仕様書(PDF と Markdown)と配置図。演習3で使います
04_点検マニュアル/IN-450 の点検手順(PDF と Markdown)、点検箇所図、日常点検票の様式。演習3とデモで使います
05_点検記録/2026年8月の異常履歴、日常点検記録、週次点検記録と、QAボットの確認質問。演習3のつづきで使います
06_社内基準/はめあい公差の設計基準抜粋と、図面と技術文書のAI利用ルール。プチ演習と、自分の資料で試す前に読みます
README.md中身の一覧、演習ごとの渡し方、ファイル名が文字化けしたときの直し方
04

座学スライド

当日投影する資料です。前回の振り返りと先週からの動き、画像を読むAIの仕組み、図面と回路図の読ませ方、ハンズオンの手順までを1本にまとめています。研修のあとの復習にも使えます。

内容は2026年9月時点の公式ドキュメントに基づいています。開催までに変わることがあります。当日は画面の表示を優先してください。

05

ハンズオンの進め方

図面と回路図を読ませ、仕様書と点検手順から出典つきで答えるQAボットを作り、最後に用語を調べてまとめさせます。演習ごとに、使うファイルと、できたと判断する基準を書いています。

06

用語集

説明の中で出てくる言葉を、意味と使う場面のセットでまとめています。当日その場で引いてください。